2021/2/6

しこりのはなし

こんにちは。
 
先ほど日記更新のためにホームページを開いたところ
なんと自分で3333のキリ番を踏んでしましました…
何の特典もないのですがちょっと申し訳ない(汗)
 
これ、古いですか?わからないですか?
わかった人は同世代です!
 
さて今日はですね、動物病院ぽい内容のお話をします。
 
なぜって最近「しこり」がとても多いからです!
「しこり」とばっかり戦っている様な気がします(泣)
 
まずは下の図をご覧ください。
例えとして皮膚にできる「しこり」を模式化したものです。
 
 
なんとなく雰囲気は伝わりますでしょうか?
 
1.は根っこがわかりやすいタイプですね。いわばカリフラワー的な。
2.はなんかもう全部硬いぞ、みたいな感じですね。
3.は皮膚の下になにやらコリコリしたものが触るぞ…?と。
 
そして矢印の下はそれぞれの切除の方法です。
(あくまでも切除の方法のひとつですけども)
 
1.はエイヤ!と根っこを切り離します。
2.は根っこがはっきりしないので「このくらいまで取れば安心だろう」というところまで切り取ります。
3.は枝豆みたいに)中身がプルン!と取れたらラッキーだな!という感じです。
 
イラストはイメージしやすくしたものなので
これは悪性っぽいぞ、とか、
れはイボだな、とか
わー、自壊して化膿してるよー(泣)等々
実際にはもっと複雑でややこしい要素が満載なのですが、
概ねこんな感じで「しこり」たちと戦っているわけです。
 
さてみなさん、もし自分の体にこの様な「しこり」ができたとしたらどうしますか?
もちろん小さなうちになんとかしたいですよね?絶対そうですよね?
だって切られちゃうんですよ?痛いの嫌じゃないですか。僕は嫌です。
 
というわけで、みなさんのおうちの子たちになにか「しこり」を発見したら
まずは「自分の体と比較して」という目でその「しこり」のサイズ感を実感して下さい。
 
チワワの胸に2センチくらいの「しこり」がある。
ラブラドールの首に3センチくらいの「しこり」がある。
トイプードルのおっぱいに4センチくらいの「しこり」がある。
ハムスターのおしりに2センチくらいの「しこり」がある。
ウサギの胸に3センチくらいの「しこり」がある。
セキセイインコの脚に5ミリくらいの「しこり」がある。
モルモットのおっぱいに1センチの「しこり」がある。
 
どうでしょう?それぞれなんとなく同じくらいのサイズにしてみましたけど
それを「自分の体と比較して」と考えた場合、結構大きくないですか??
そのサイズの「しこり」があったら「えええー!?」って思いませんか?
 
「しこり」の治療はだいたい外科になることが多いです。
つまり大きくなればなるほど動物への侵襲度も大きくなります(特に2.の場合)
つまり術後管理も大変になってくるんですね。
 
更に「しこり」は目に見えるところだけにできるわけではありません。
が、全部触ってわかる訳でもないので、少なくとも皮膚、口、耳、目、など
日常的に確認しやすいところは日々のチェックをルーティンにしておきたいものです。
 
もし可能であればお腹もグリグリと触る様にしておくと、
「あれ?いつも触らないものがある…様な気がする…」
なんて事も気がつける様になるかもしれませんよ。
 
とにかく、長寿傾向にある動物たちは種を問わず「しこり」が多いです。
ということを頭の片隅に入れておいて頂けるだけでも早期発見が可能です。
早期発見からの処置こそが動物にもみなさんにも我々獣医にも優しい対応です。
 
みなさん「しこり」に注意です。
動物の「しこり」は結構成長スピードが早いです。
そして早いやつらは悪いものの事が多いです。
 
以上、滅多にないアツイ日記を書いたのでちょっと疲れました。
が、週明けも「しこり」との戦いが続く予定なのでガンバリマス。